無線機は建物内でも使える?通信を妨げる3つのポイントを解説

「建物の中でも無線機は問題なく使えるのだろうか?」無線機導入を検討される方から、よくいただくご相談です。
屋外では安定して通信できても、オフィスや倉庫、商業施設、工場など建物内ではつながりにくくなるケースがあります。地下フロアや複数階にまたがる場所では、想定どおりに通信できずに困ることも…
しかし建物内だからといって、必ず使えないわけではありません。重要なのは建物の構造や利用環境に合わせて最適な無線機を選ぶことです。
本記事では、 建物内で通信が弱くなる主な要因と、 選定時に押さえたいポイントをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
✔ 建物内で無線機がつながりにくくなる理由
✔ 壁・階数・地下空間が通信に与える影響
✔ 建物内導入前に確認すべきポイント
✔ 現場に合った無線機選定の考え方
なぜ無線機が建物内でつながりにくくなるのか?
無線機は電波を使うため、屋外と比べて障害物が多い建物内では電波が遮られたり反射したりしやすくなります。
たとえば…
- コンクリート壁/鉄骨構造/防火扉
- 設備機器の集中する機械室周辺
- 地下駐車場や地下作業エリア
など、通信距離だけで判断せず、「どの建物で・どこをカバーするか」を基準に選びましょう。
通信に影響する3つのポイント
壁や建材の影響

建物内で最も大きな影響を与えるのが壁です。コンクリート・鉄筋:厚さや鉄筋量が増すほど電波透過率は低下し、特に以下のような構造は電波が通りにくくなります。
鉄筋コンクリート造|鉄骨造|金属製の防火扉|機械室周辺
同じフロア内でも、
・オープンスペース・パーテーション中心のオフィス
であれば比較的通信しやすい一方、
・厚いコンクリート壁が多い施設、設備機器が密集する工場
では通信距離が短く感じられることがあります。
※ガラス・パーテーションでも金属膜入りガラスは要注意。透明でも電波を反射するタイプあります。
- <対策>開口部や通路の活用
廊下や吹き抜け、開放された通路などを経由すると電波が届きやすくなるケースもあります。
また、オフィスや商業施設では、窓や扉の配置によって通信状況が変わることがあります。
利用場所のレイアウトを確認しながら運用場所を決めることで、通信トラブルの発生を抑えられます。
- 開口部や通路を活用する
- 金属製の扉や機械設備の近くを避ける
- 窓や扉の位置を考慮して運用場所を決める
- 実際の建物環境で事前確認を行う
階数をまたぐ利用

「1階と3階で使いたい」「地下1階と地上階で連絡を取りたい」といった複数フロア運用もよくあるケースです。
しかし、階と階の間には床や天井、鉄骨構造などが存在するため、同じ水平距離でも通信条件は厳しくなります。天井スラブ厚が20~30cmある現場では、階をまたぐだけで10~15dBの損失が発生することもあり、
特に以下のような施設は注意が必要です。
大型商業施設|ホテル|病院|倉庫|オフィスビル
フロア構成によっては、同じ建物内でも通信しづらいエリアが発生する場合があります。
- <対策>中継器(リピーター)配置
階段ホールやEVホールに中継器を設置し、フロア間の死角を減らしたり、中継器(リピーター)を活用することで通信エリアを広げられる場合があります。
- 利用する階数と通信範囲を事前に整理する
- 階段ホールやEVホールなどの開放空間を活用する
- 中継器(リピーター)の設置を検討する
- 特に複数フロア運用では事前検証を行う
地下空間の影響

地下は周囲をコンクリートや土に囲まれ、自然電波の取り込みが困難なので、建物内利用の中でも特に注意が必要な環境です。たとえば、
地下駐車場|地下作業エリア|設備機械室|地下搬入口|地下イベントスペース
などでは、周囲をコンクリートで囲まれていることが多く、電波が届きにくくなる傾向があります。
また、地上階との通信が必要な場合は、事前確認が特に重要です。
- <対策>アンテナの屋外設置+ケーブル引き込み
地下利用がある現場では、屋外アンテナを設置し、同軸ケーブルで地下へ引き込む方法が採用されることがあります。また、利用環境によっては別の通信方式や機種を検討した方が適している場合もあります。
- 地下利用の有無を事前に確認する
- 地下と地上の通信が必要か整理する
- 屋外アンテナと同軸ケーブルの活用を検討する
- 現場条件に応じて適切な機種や構成を選定する
建物によって通信状況は大きく異なる
よく「何階まで届きますか?」というご質問をいただきます。
しかし実際には、
- 建物の広さ
- 構造
- 使用場所
- 設備の有無
- 利用人数
によって結果が大きく変わります。
同じ無線機でも、
Aビルでは問題なく使える
Bビルでは通信が不安定になる
ということも珍しくありません。
そのため、 カタログ上の通信距離だけでは判断できないのが建物内利用の特徴です。
関連資料:
・ 無線機の通信距離はどのくらい?屋内・屋外・現場別の目安と届かない原因・対策を解説【法人向け】
・ 無線機レンタルの見積依頼に必要な情報は3つだけ!台数・期間・利用場所の整理術とチェックリスト
建物内利用で確認したいポイント

①利用場所はどこか
まずは利用場所を整理しましょう。
・オフィス・商業施設・工場・倉庫・ホテル・建設現場
によって適した無線機やアクセサリは異なります。
②何フロアをまたぐのか
同一フロア内なのか、複数階で運用するのかによって必要な通信性能は変わります。
事前に利用範囲を明確にしておくことで、適切な機種選定につながります。
③地下利用があるか
地下利用の有無は重要な確認事項です。
地下から地上、あるいは地下同士で通信する場合は、一般的な利用環境と条件が異なるため、
事前相談がおすすめです。
通信が不安な場合は事前相談がおすすめ
建物内の通信環境は、実際の現場によって大きく異なります。
そのため、
- 「地下でも使いたい」
- 「複数フロアで運用したい」
- 「倉庫内で利用したい」
- 「商業施設全体をカバーしたい」
といった場合は、利用環境を事前に共有いただくことが重要です。
現場条件を確認したうえで、利用環境に適した無線機をご提案できます。
まとめ|建物内の通信は [距離]より [環境] で考える
建物内で無線機がつながりにくくなる主な要因は次の3つです。
- 壁や建材による電波の遮蔽
- 階数をまたぐ利用
- 地下空間での利用
無線機が使えるかどうかは、単純な距離ではなく建物の構造や利用環境によって大きく変わります。
機種選定の際は、カタログの通信距離や 電波特性だけでなく設置環境や運用フローを総合的にご検討ください。
- 「自社の現場で通信できるかわからない」
- 「地下や複数階でも使いたい」
- 「どの機種が最適か分からない」
- 「工事や中継器の導入コストを抑えたい」
など、お悩みをお持ちの方はぜひお気軽に事前相談をご利用ください。専門スタッフが現場条件にあわせた最適なプランをご提案いたします。






